自主的施工管理体制

ジェイシフは、会員企業における一定レベルの施工品質の標準化を図ることを主眼に、「自主的施工管理体制」を確立し、全国的に展開しています。

自主的施工管理体制のあらまし
  • 「内装工事施工技術指針」「内装工事施工管理指針」等に基づいた施工を行います。
  • 「床仕上管理士」が施工現場で管理・点検を行います。
  • 「企業内工事指導員」が施工現場での巡回・指導を行います。
  • ジェイシフが会員企業の自主検査を補完する意味で、組合派遣指導員を施工現場へ派遣します。
  • 上記項目により自主施工管理を終了した会員企業が、ジェイシフから「自主施工検査証」の交付を受け、発注者・総合工事業者に提出します。
「建築工事監理指針」「建築改修工事監理指針」に掲載されています
ジェイシフ自主的施工管理体制

「建築工事監理指針」は、国・政府関係機関・地方公共団体をはじめ民間においても広く適用されている国土交通省大臣官房官庁営繕部監修の「公共建築工事標準仕様書」の解説書として、工事監理に必要な基礎知識を得るとともに、監理に不可欠な規格・基準などの資料や施工技術を豊富に掲載した工事現場の必携書です。
ジェイシフが推進する「自主的施工管理体制」は、平成元年度版より記載紹介され、平成5年度版からはさらに表現が格上げされて、広く一般に認められるところとなりました。また『建築改修工事監理指針』にも、これと同様の記述が採用・収録されています。
以下はその抜粋です。

19章 内装工事
    2節 ビニル床シート、ビニル床タイル及びゴム床タイル張り
    19.2.1適用範囲(C) 施工計画書等
    (4)床仕上げの施工に関する品質確保の一例として、日本建設インテリア事業協同組合連合会では「床仕上管理士」及び「組合派遣指導員」・「企業内工事指導員」制度を設けており、この「床仕上管理士」の現場への常駐及び「組合派遣指導員」・「企業内工事指導員」の施工現場への派遣による自主的施工管理体制を確立し自主施工検査証を交付している。
19章 内装工事
    3節 カーペット敷き
    19.3.4工法(a)共通事項
    (1)なお、床仕上げの施工に関しての「床仕上管理士」及び「組合派遣指導員」・「企業内工事指導員」制度等については、19.2.1(C)(4)と同様である。
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「内装工事施工技術指針」「内装工事施工管理指針」等に基づいた施工を行います
ジェイシフ「工法仕様書」「内装工事施工技術指針」等は、技術、技能を一層充実させるため、国土交通省の指導のもとに、全く新しい視点に立って作成されました。また内容も国土交通省の建築工事共通仕様書や建築工事監理指針などを軸として、我々専門工事業者の立場から会員企業の責任ある施工を行うにはどうしたらよいか、ということを主に編集いたしました。
この根本精神を生かしてその普及に努め、国土交通省の後援による施工法発表説明会等を全国的に展開してまいりました。今後も資材、ニーズの多様化等に対応して内容の充実を図り、一層の普及を行うことにしています。
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「工法仕様書」「内装工事施工技術指針」等発行のあゆみ
昭和49年10月 関東の組合において、ビニル床タイル・床シート張り工法仕様書を発行
昭和51年10月 上記改訂第2版発行
昭和54年1月 上記改訂第2版発行
昭和54年9月 ビニル床タイル・床シート張り工法仕様書解説書を発行
昭和57年2月 プラスチック系床仕上げ施工・カーペット床仕上げ施工工法仕様書発行(1982年版)
昭和60年4月 上記改訂版発行
昭和62年2月 新工法仕様書解説書発行
昭和63年4月 プラスチック系床仕上げ施工・カーペット床仕上げ施工工法仕様書改訂版及び同解説書、改修工事施工マニュアルを発行
平成3年9月 プラスチック系・カーペット床仕上げ施工工法仕様書発行(1991年版)
平成11年1月 「内装工事施工技術指針」「内装工事施工管理指針」を発行
平成14年6月 「内装工事施工技術指針」「内装工事施工管理指針」(平成14年版)を発行
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床仕上管理士が品質、工程、原価、安全管理等の施工管理を行います
「床仕上管理士」とは…

ジェイシフでは、床仕上工事に関する品質、工程、安全管理等の施工管理業務を的確に行う者を床仕上管理士として登録しています。

「床仕上管理士」の立場と任務
  • 現場代理人としての立場
    会社の代理人として現場に常駐し、工事の内容を十分に理解して、職長以下、作業員を指導管理し、その工事を立派に完成させるもので、職長の指導及び管理能力の優劣によって施工に不具合が生じ、会社の業績や受注活動などにも大きな影響を与えることになるので非常に責任の重い立場である。
  • 作業の指揮監督者としての立場
    契約内容に決められた仕事の内容について、部下をよく統率し、適切かつ十分な作業の指示、指導を行い、安全を確認し、発注者側の工事監督者や他職種との連携を密にして「良く、早く、安く、安全に」工事を完成させなければならない。
  • 発注者側の工事管理者への協力者としての立場
    発注者側の工事管理計画を熟知して、これに参加協力し、工事の円滑な進行に努めなければならない。このためには自社の工事の内容を十分に把握し、その実施については、事前に発注者側の監督者と品質、工程、安全等について入念な打ち合わせを行い、常に工事の進捗状況を確認し、積極的に協力し合わなければならない。
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企業内工事指導員が施工現場への巡回・指導を行います
「企業内工事指導員」制度のしくみ
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企業内工事指導員とは

ジェイシフに所属する会員企業が床仕上工事(公共工事・民間工事、直接・間接を問わず)を施工する際、本会の認証を受け、企業内工事指導員の名称を用いて、定められた要領に従って当該現場の施工業務を指導する任務を帯びたものをいいます。

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総合派遣指導員による施工現場の指導・助言・点検
「内装工事施工技術指針」等をもとに優良資材を使用し、さらに床仕上管理士・企業内工事指導員を活用して、優れた施工能力による良質の床を安定供給いたします。そのために、会員が官公庁等から受注した現場を公正なる立場において指導助言する「組合派遣指導員」制度を推進しています。

「組合派遣指導員」制度のしくみ
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組合派遣指導員とは

本会の委嘱を受け、組合派遣指導員の名称を用いて、会員企業が床仕上工事(公共工事・直接・間接を問わず)を受注した時、定められた要領に従って当該現場の施工状況を公正なる立場において、会員企業に対して指導・助言する任務を帯びた者をいいます。

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ジェイシフが策定した技術指標類を活用して施工品質を確保します。
「内装工事施工技術指針・内装工事施工管理指針平成23年版」発刊

この度、「内装工事施工技術指針」と「内装工事施工管理指針」が新しく改訂され、一冊の本として発刊されました。我々ゼネコン下請の内装工事業者には、施工技術と施工管理両面での専門性が強く求められているところであります。“下請の立場から責任ある施工を行うにはどうすべきか”という視点から、正確かつ適切な内装工事の普及に努めるとともに、施工品質の確保・向上を図ることを目的に編集しました。本書が施工現場で広く活用されることによって、施工費の適正化にもつながるものと確信しております。

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内装工事標準施工要領書の作成には(社)建築業協会【BCS】
〈現(一社):日本建設業連合会〉もチェックというかたちで参画
「内装工事標準施工要領書」はCDで配布

また、新たに「内装仕上工事標準施工要領書」を編纂いたしました。施工要領書は、我々下請内装業者がどのような手順で仕上げるのかを元請ゼネコンに伝える大切な書面です。各社、または各元請ゼネコンによってそれぞれ作られて来たものがありますが、このほど内装工事の業界標準としてジェイシフが取りまとめをいたしました。ジェイシフ「自主的施工管理体制」の自主検査システム等との連携が図られており、業界初の標準仕様となっております。CD-ROM にて頒布いたしますので、各社・各様に加工・応用していただくことができるようになっております。

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高分子系張り床材・カーペット・壁装  内装工事施工技術指針
高分子系張り床材仕上げ施工
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カーペット床材仕上げ施工
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壁装仕上げ施工
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高分子系張り床材・カーペット・壁装  内装工事施工管理指針
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直近のジェイシフフォーラムを追う
ジェイシフフォーラム2010
『自主的施工管理体制』をテーマに日本教育会館一ツ橋ホールで平成22年2月24日に開催

(出所:ジェイシフ関東ニュース)〔注〕役職名は開催時の役職名を記載

中尾(国交省)、春田(PAB)、秋山(BCS)の3氏が講演

  • 新規ニーズ分野へのシフトを支援(中尾氏)
  • 厳しい環境下での自主的施工管理体制を評価(春田氏)
  • ゼネコンへの認知度アップの努力を(秋山氏)

 「自主的施工管理体制」をテーマにした『ジェイシフフォーラム2010』が2月24日(水)、東京・一ツ橋の日本教育会館9階で開かれた。

 同フォーラムは、日本建設インテリア事業協同組合連合会(略称・ジェイシフ)が主催し開催したもので、会場にはジェイシフ会員をはじめ関連メーカーなど約100名が参加した。

 フォーラムの開会に当たり、中 剛辰ジェイシフ会長が主催者挨拶を行った。中 会長はその中で開催主旨として「ジェイシフでは、かねてより床仕上工事施工管理の品質確保に取り組み、自主検査証を発行するなど自主的施工管理体制を強化推進し、その活動は国からも一定の評価を得ています。今回のフォーラム開催は、そうした取り組みをさらに広く認知してもらうとともに、自主的施工管理体制の一層の拡充を図り、自立した専門工事業としての立場を確立することを目的としたものです」と述べた。

 続いて講演会に移り、国土交通省総合政策局建設市場整備課専門工事業高度化推進官の中尾晃史氏が「最近の建設産業政策について」をテーマに基調講演を行った。

 中尾氏はその中で「建設投資額もピーク時の約44%に落ち込むなど、今日では建設業の倒産が増加し、地域の経済・雇用にも深刻な影響をきたしていることは十分に承知している」とした上で、「国としては以前のように公共事業を増やすことはできないものの、それに代わる建設業振興策を検討し、また実施もしている」ことを強調した。その具体策として「従来の建設業の活動領域から脱却し今後ニーズが高まる分野、例えば環境や施設の維持管理・リフォーム、リニューアルや異業種分野への副業化などに側面からの支援を検討している」ことなどをあげた。

 また、このフォーラムのテーマでもある技術力の向上に関しては、基幹技能士制度を創設し、総合評価方式の中で技術力を評価し、また一部では専門工事業が持つ技術力や建材の調達など地元への貢献度も総合評価に加えるなどの試行・実験も行っていることなどをあげた。

 中尾氏は講演を終えるに当たり、ジェイシフがこれまで取り組んできた自主的施工管理体制を評価するとともに、「その高い施工技術をこうしたフォーラムなどを通じて一層広め、厳しい環境が続く中でも品質を落とさずに技術力を維持・向上させてほしいし、その努力に対して支援していきたい」と結んだ。

 基調講演の後、春田浩司氏((社)公共建築協会副会長・専務理事)と秋山稔氏((社)建築業協会施工部会副部会長)が、それぞれの専門分野をテーマに講演を行った。

 春田氏は、「公共建築をとりまく環境について」をテーマに講演した。

 この中で、施工技術の品質向上に関しては、ジェイシフがこれまで取り組んできた自主的施工管理体制を高く評価し、総合評価方式の中で、元請ゼネコンの技術力や技術提案に組み入れ加点できるようなシステムも、今後の検討課題となってくるとの考えを示した。

 その上で、建設業界を取り巻く環境が悪化し続ける中で、高い品質を確保するというのは非常に難しいことであるが、厳しい時代だからこそその高度な施工技術が付加価値となり、生き残るための牽引的な役割を果たす、とジェイシフの活動にエールを送った。

 続いて秋山氏が「建築工事における自主検査事例」をテーマに講演をした。

 秋山氏は冒頭に、こうしたフォーラムにゼネコン側が講師として招かれるのは極めて珍しいことであることから、ジェイシフが進める自主施工管理制度を当業界がどう見ているのか、「ゼネコンからの声」として、紹介した。

 その中では「事業者や設計管理者に安心感を与える」「検査を受けた事例からのクレームは無い」と評価する意見がある半面で「初めて聞いた」「自主検査活動は勉強会と思っていた」「活動の目的や検査の位置づけが不明確」などの意見が多くあり、全体的にPR不足は否めないとの認識を示した。

 その上で、今後は、「信頼の内装仕上工事は、高度な施工技術と自主検査体制」とパンフレットにあるように、このことを完壁に着実に行うことが制度の認知度アップにつながることを指摘した。

 また、ゼネコン側も永年培った技術指針とジェイシフ施工要領書をさらに充実させ、それに基づいた検査体制であることを設計者や施主にアピールしていくことが必要であると述べるとともに、今回のフォーラムが両者の前向きな意見交換の良い機会となったことを評価した。

 フォーラムでは3氏の講演に引き続きジェイシフ『自主的施工管理体制』の事例発表と「優良資材斡旋事業参加メーカーからの意見発表が行われた。

 事例発表では小栗裕司組合派遣指導委員から最近の検査制度適用現場がプロジェクターで紹介された。

 メーカーからの意見発表では、住江織物(株)沢井克之執行役員、(株)タジマの大家卓取締役営業本部長、東リ(株)の永嶋元博取締役営業本部長、ロンシールエ業(株)の田畑俊雄取締役建装事業部長の4氏から「メーカーと施工業者は運命共同体であり、厳しい時代の施工の品質向上は付加価値を生むことになり、ジェイシフの活動に全面的に協力していく」「現場派遣制度にメーカー側も検査補助員として参加し、商品開発に活かしたい」などの意見が出された。

 この後、安藤公裕ジェイシフ連合会副会長(情報発信委員会委員長)が、まとめの挨拶を行った。安藤副会長は、ジェイシフ活動の今後として「今回のフォーラムは自主的施工管理体制をもっと広く理解してもらい、認知度を高めていくことが目的です。国交省も評価されているようにこの制度は相当広く認知されていると我々当事者は思っていたが、BCSの秋山氏が講演の中で指摘されたように、一番知ってもらいたいゼネコン業界への認知度がこんなにも低いものかと、正直、衝撃を受けました。

 幸いにフォーラム開催が契機となって今後はゼネコン、メーカー、専門工事業界で協力して品質管理の向上について真剣に情報交換できることになり、その成果に大いに期待し、これまで取り組んできた「自主的施工管理制度の一層の拡充を図っていきたい」とフォーラムを結んだ。

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ジェイシフフォーラム2011
『自主的施工管理』テーマに日本教育会館喜山倶楽部で 平成22年11月19日に開催

(出所:ジェイシフ関東ニュース)〔注〕役職名は開催時の役職名を記載

第1部 セミナー、第2部 シンポジウムの2部構成で展開
渡辺氏(財建設業適正化推進機構)など3氏が講演
シンポジウム・春田(PBA)、須田(国土交通省)、秋山(BCS)、永嶋(東リ(株))、安藤(ジェイシフ)の5氏が意見交換

 ジェイシフ連合会主催の『ジェイシフフォーラム2011』が11月19日(金)、東京・一ツ橋の日本教育会館9階喜山倶楽部で開かれた。会場にはジェイシフ組合会員をはじめ関連メーカーなどから約100名が参加した。

 同フォーラムは、全国のジェイシフ会員が、ジェイシフ独自の「自主的施工管理体制」を導入し、内装工事の品質向上を推進、その成果が国土交通省の監理指針に明記されるなど評価されてきたことから、こうした自立した専門工事業の立場を発注者や元請ゼネコンなどに広く理解してもらうことを目的に開催したもの。

 特に今回は、同連合会が14年ぶりに改訂を進めてきた「内装工事技術指針」・「内装工事施工管理指針」及び「内装工事施工要領書」の新版が完成したのに伴い、その解説を行うとともに、元請、下請間の理想的な関係を築く為の今後の方策を模索することを狙いに、第1部セミナー、第2部シンポジウムという2部構成で行われた。

 第1部、第2部ともに貴重な提言や活発な意見交換が行われ、活気に満ちた有意義なフォーラムとなった。

■安藤会長
「自主的施工管理専門工事団体としての更なる認 知度アップを」

 フォーラムは、岡田今朝紀ジェイシフ連合会専務理事の司会で始まり、冒頭、安藤公裕ジェイシフ連合会会長が主催者挨拶を行った。

 安藤会長はその中で開催主旨として「ジェイシフでは、かねてより床仕上工事施工の品質確保に取り組み、自主検査証を発行するなど自主的施工管理体制を強化推進し、その活動は国からも一定の評価を得ています。今回のフォーラムは、そうした取り組みをさらに広く一般に認知してもらうことを目的に開催するものです。それとともに今回は、自主的施工管理体制を支える内装工事施工技術・管理指針及び施工要領書を14年ぶりに改訂したことで改定内容を皆様にご説明し、その活用を今後どのように図っていけば、今以上に自立した専門工事業として飛躍していけるかなどを、各界の第一人者としてお招きした講師やシンポジストの方々からご意見や提言を頂くことを大きなテーマとしています」とフォーラム開催への期待を述べた。

 続いて第一部の『セミナー』に移り、渡辺弘之氏(財団法人建設業適正取引推進機構理事長)、中 剛辰氏(ジェイシフ技術指標作成委員会委員長)、市川篤氏(株式会社建設経営サービスファクタリング事業部課長)の3名の講師がテーマに沿った講演を行った。

第1部 セミナー
■中 委員長
 「国の標準仕様書改定とJIS改定に合致した新版指針として作成」

 第1部セミナーでは、まずジェイシフ連合会の中 剛辰技術指標作成委員長が、フォーラムのメインテーマである『自主的施工管理体制』を支える新版「内装工事施工技術指針」「内装工事施工管理指針」及び「内装工事施工要領書」の改定内容や改訂までの経緯を説明した。

 この中で中 委員長は、「ジェイシフは創立以来、専門工事業者の立場から、施工技術・施工品質の確保に努め、その柱となるジェイシフ独自の施工技術指針・施工管理指針・施工要領書を作成し、それを遵守することにより会員企業の施工品質の標準化を図ってきた。このことが、他との差別化につながり、国からも自主的施工管理が出来る団体として、一定の評価を得るに至っています」と自主的施工管理体制導入の経緯を報告した。その上で今回14年ぶりに両指針、施工要領書の改訂に踏み切ったのは、国の公共建築物標準仕様書の改定やJIS改定に合致できるよう、よりパーフェクトな内容にし、自主的施工管理体制をより進化させることが目的であることを強調した。

■渡辺理事長
 「適正な利潤確保へ努力する企業への支援体制も 出来つつある」

 続いて財団法人建設業適正取引推進機構の渡辺弘之理事長が、「元請下請間のルールと適正取引」をテーマに講演した。主な講演内容は、㈰適正取引とは㈪平成21年度下請取引等実態調査について㈫建設業取引適正化センターの役割り㈬建設業法令遵守ガイドライン(元請人と下請人の関係に関る留意点)について㈭下請企業対策のさらなる改善について─の5項目を取り上げ、実例を示しながら説明した。

 この中で渡辺理事長は、元請下請けのルールは以前とあまり変わっていないが、ルールの扱いについてはここ2、3年で変わってきたことを強調。その要因としては、建設市場が縮小する中で、ルールを守らずダンピングに走る企業が増え、そうした企業の排除や下請へのしわ寄せの排除などの声が高まってきたことを上げた。その上で、適正取引による利潤確保にはどうしたらよいか、また、ルールを守り品質を落とさずに頑張っている企業をいかにサポートし、存続させていくかが、今後の大きな課題であることを指摘した。

 元請下請のルール上の問題については、「建設業法が制定された後も多く見受けられたが、これまでは業界の良識に任せてきたのが国士交通省のスタンスであった」という。但しここ数年の動きを見ると、「国や自治体も本格的な体制を組み、基準の制定や指導に乗り出し、その流れとして建設業法法令遵守ガイドラインの制定や建設業取引適正化センター、駆け込みホットライン等の設置につながり、その効果も、徐々に上がってきている」と、実例や調査結果を示して説明した。

 さらに、「建設市場が縮小する中でルールを厳守し、適正な利潤を確保していくことは非常に難しいことであるが、その努力を側面から支える仕組みも出来つつある」ことを強調し、講演を結んだ。

■市川課長
 「昨今の経済情勢を反映してファクタリング利用 者数も増えている」

 3人目の講師として株式会社建設経営サービスの市川篤ファクタリング事業部課長が「下請債務保証支援事業」について講演した。

 市川課長は、まず同社が提供する「KKS保証ファクタリング」の概要を説明した。それによれば、同ファクタリングは、国土交通省が創設した平成22年3月にスタートさせた『下請け債務保証支援事業』に基づき建設企業に対して有する債券(売掛金・手形)の決済を同社が保障するサービス。

 講演では、同ファクタリングの仕組みが分り易く詳細に説明されたが、その中でも同サービスを利用する側のメリットが大きいことを強調した。

 メリットとしては(1)債券が回収できない場合は、保証限度内で債券を支払期日まで100%保証(2)保証の形式は個別保証(3)保証料金の3分の2(年率4%を上限)が助成金により減免(4)手形の早期資金化が可能─などを上げた。

 また、同社のような民間ファクタリング会社は、全国で10社設立されており、昨今の経済情勢などから利用者も急激に増えつつあることを認識しているという。ちなみに平成22年3月から10月末までの利用者件数は、10社合計で2,927件、金額にして約139億円にものぼると言う。

 市川課長は、最後に、「国が掲げるファクタリング事業の理念は、下請企業の経営の安定、雇用の安定とともにもう一つ大きな目標に企業の連鎖倒産の防止を掲げており、当社もその精神に則り、守秘義務を厳密に守り、ユーザー企業の経営の安定に寄与していければと思っています」と結んだ。

第2部 シンポジウム

 セミナーに続き第2部として『ジェイシフ自主的施工管理体制を語る』─元請・下請〜施工品質の確保を図るための下請け業界としての取り組みをテーマにシンポジウムが行われた。

 出席者はコーディネーターを春田浩司社団法人公共建築協会(PBA)副会長が務め、シンポジストとして須田健介国土交通省総合政策局建設市場整備課課長補佐、秋山稔社団法人建築業協会(BCS)施工部会部会長、永嶋元博東リ株式会社取締役営業本部長、安藤公裕ジェイシフ連合会会長の4氏が務めた。

■春田氏
「高度な施工技術が付加価値を生み、業界発展の 牽引的役割果す」

 春田氏は、今回のシンポジウムがサブテーマにあるように「施工品質の確保を図るための下請け業界の取り組み」は、今後建設市場が縮小する中で避けて通れない大きな課題であるとした上で、自主的施工管理体制を早くから導入し、品質確保に取り組んでいるジェイシフのこれまでの活動の概況を岡田ジェイシフ連合会専務理事に求めた。岡田専務理事は、53年に発足以来、品質向上と責任施工をスローガンとしたジェイシフ自主的施工管理体制のこれまでの活動状況を経緯を踏まえながら説明した。

 春田氏は、「建設業界を取り巻く環境が悪化し続ける中で、高い品質を確保するというのは非常に難しいことであるが、厳しい時代だからこそその高度な施工技術が付加価値となり、生き残るための牽引的な役割を果たす」と、ジェイシフの活動を評価した上で、各シンポジストにそれぞれの立場からの意見を求めた。

■秋山氏
「元下間でお互いの施工要領書の摺り合わせを行 い、それに基づき施工するのが本来の姿」

 秋山氏は、「2月に行われたフォーラムに参加した時点では、ジェイシフが行っている自主検査がどういうものであるか、ゼネコン業界で把握しているケースは正直言って少なかった。その後のヒアリングで分かったことですが、ジェイシフが14年もかけて取り組んできた自主的施工管理制度と、ゼネコン側が行っている品質管理・検査制度とのすり合わせが無いままでこれまで来たというのが実情ではないか。ある面でPR不足もあったと思います」とした上で「ジェイシフの自主的施工管理体制が長い歴史の中で陰に隠れた形で元請の品質管理向上に役に立ってきたことに今では感謝している」と感想を述べた。

 また、今回の指針・要領書の改訂でタタキ台のチェックということでBCSも参加した意義は大きいとし、「今後は、元下間でお互いの施工要領書の摺り合わせを行い、その要領書に基づきお互いが仕事をするのが本来の姿だと思う」と改定された指針・要領書の自立とその活用に期待を寄せた。

■永嶋氏
「自主的施工管理制度の導入により達成した品質 管理の向上を、もっと価格には反映していくべき」

 これに続いて永嶋氏がメーカーの立場から意見を述べた。

 永嶋氏は「ジェイシフが取り組んできた自主的施工管理制度に対する地道な努力にはメーカー側としては頭が下がる思いです」とした上で「これまで元下間での日頃の長い付き合いの中でお互いの信頼は認められるものの、一方では、下請けの品質管理面で努力してきた価値が軽視されてきたきらいがある」と指摘。

 また、「ジェイシフの自主的施工管理制度の導入により達成した品質管理の向上を、もっと価格には反映していくべきだ。他との差別化だけではなく、適正利潤にも向け、適正な管理コストを認めてもらう必要があるように思う。これにはメーカーとジェイシフが今後協力して活動していく必要がある」と述べた。

 春田氏も「管理コストは必要である」と賛意を示した。

■須田氏
「高い品質管理と技術力を有するジェイシフには、 成長が見込まれるリフォーム分野の担い手として も期待している」

 須田氏は、国土交通省がまとめた「建設産業の現状と取り組み」について説明するとともにジェイシフの自主的施工管理活動に対する感想を述べた。

 この中で須田氏は「建設投資額は22年度見通しで約41兆円であり、ピーク時から約52%減少しているが、建設業者数は約15%減に留まっており、これにより受注競争が激化し、建設業の倒産が増加、元請から下請けへのしわ寄せが顕著となり、地域の経済・雇用にも深刻な影響をきたしている」と懸念を示した。こうした情勢に対応し国土交通省では、「入札制度の更なる改善(下請け企業対策)」や「駆け込みホットライン」、「下請け債券支援事業」など下請け企業対策に乗り出し、今日ではその効果も徐々に出始めているという。

 一方、建設市場の拡大は当分望めそうに無いことから、「国としては、それに代わる建設業振興策を検討し、また実施もしている」ことを強調した。その具体策として「従来の建設業の活動領域から脱却し今後ニーズが高まる分野、例えば環境や施設の維持管理・リフォーム、リニューアルや異業種分野への副業化などに側面からの支援を検討している」ことなどをあげた。

 「特に内装工事が関るリフォーム市場は、今後成長が見込まれる分野であり、自主的施工管理を率先して実施し高い技術力を有するジェイシフにはその担い手になってほしい」とジェイシフの今後の活動に期待を寄せた。

 また、春田氏は、来賓者として出席しているメーカー代表の成田豊英株式会社タジマ取締役営業部長、関口修一株式会社スミノエ取締役東日本支社長、平山達也ロンシールエ業株式会社建装事業部長の3氏に意見を求めた。3氏ともにジェイシフの自主的施工管理活動への取り組みを評価しており、今後とも出来る限りのバックアップをしていきたい旨のエールを送った。

 主催者代表として出席した安藤氏は、「数々の貴重な提言やアドバイスを頂き感謝しています。これらのアドバイスを、必ず今後のジェイシフ活動に活かしていきたい。また、須田様も指摘されたように、これからの業界は建築ばかりでなくリフォームも視野に入れていく必要があります。ジェイシフ会員もこれまでは完了証明書まで出せば良かったが、これからは取扱説明書から保証書まで出す努力をしなければならないと思っています。これはジェイシフにとって大変な宿題だと思っていますが、それがリフォーム市場への進出につながるものと確信しています。また今回14年ぶりに指針・要領書を改定しましたが、今後は、両指針を携えて、ゼネコンさんやオーナーを始め、広く一般にも積極的にPR活動を展開していきたい」と決意を見せた。

 最後にコーディネーターを務めた春田氏が「ジェイシフの自主的施工管理活動は承知していましたが、このフォーラムで改めて皆さんと意見交換してみて、勉強になったことや感心させられたことが多かった。こういう取り組みをしっかり外向きに情報発信していただき、また正しい理解をしてもらい、品質管理への努力が利益につながり、ひいては社会の利益として認知されれば、と願っています」と感想を述べるとともに「そうなる為の仕組みは、今回のフォーラムで示されましたが、それらの貴重な提言、意見を十分に咀嚼して、噛み砕いて吸収していくことがジェイシフにとっても世の中にとっても重要なことだと思っています」とフォーラムを締めた。

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ジェイシフフォーラム2012
『自主的施工管理』テーマに日本教育会館喜山倶楽部で 平成23年11月22日に開催

(出所:ジェイシフ関東ニュース)〔注〕役職名は開催時の役職名を記載

内装工事の品質確保狙いに技術、施工力向上目指して講演と交流会100名超える参加者

 ジェイシフ連合会主催の『ジェイシフフォーラム2012』が、昨年11月22日(火)東京・一ツ橋の日本教育会館9階喜山倶楽部で開かれた。会場にはジェイシフ会員をはじめ関連メーカーなどから100名を越える参加があった。

 内装工事の品質確保を狙いに、ジェイシフ連合会の会員が進めている「自主的施工管理体制」の成果が国土交通省の監理指針に明記されるなど評価されてきたことから、こうした自立した専門工事業の姿を発注者や設計者、元請ゼネコンなどに更に広く理解してもらうため昨年に続いて開催した。

 今回のフォーラムでは、第1部で国土交通省の担当官による『最近の建設産業政策について』の基調講演の後、特別講演、事例発表、ジェイシフの今後の活動方針、資材メーカーの協力方針、人材育成センターの紹介などがあり、有意義なフォーラムとなった。続いて第2部では、『自主的施工管理体制』をテーマに交流会が行われた。

 フォーラムは、岡田今朝紀ジェイシフ連合会専務理事の司会で始まり、冒頭、安藤公祐ジェイシフ連合会会長が主催者挨拶を行った。

 安藤会長は、フォーラムの開催趣旨について、「『自主的施工管理体制』をテーマに専門工事業として施工品質の確保をはかるため、技術力、施工力及び経営力の面で種々努力してまいりました。本日は、講師の皆様からご意見やご提言をいただき、今後の私共の活動に役立てたい」と挨拶した。

 続いて、第1部のフォーラムに移り松下雄介・国土交通省土地・建設産業局建設市場整備課専門工事業高度化推進官が基調講演、春田浩司・(社)公共建築協会副会長、専務理事と高津充良・(社)日本建築士事務所協会連合会専務理事が特別講演をそれぞれ行った。この後、ジェイシフ関東の組合派遣指導員の満尾広行氏が事例発表、安藤公裕会長がジェイシフの今後の活動について、資材メーカー3社が工事業界への協力体制について、菅井文明・富士教育訓練センター専務が人材育成についてそれぞれ講演を行った。

第1部 講演会 
■国土交通省・松下雄介氏
「最近の建設産業政策について」再生と発展の方策

 松下氏は、国土交通省が2011年6月に建設産業の現状分析をふまえてまとめた「最近の建設産業政策について」の内容について説明した。

 この中で松下氏は、「建設産業の再生と発展の方策2011」で問題点として指摘している、◯経営環境の変化◯事業所数の減少率◯技術者数等◯海外受注の実績◯過剰供給構造─について説明したうえで、それによる課題として(1)地域社会の維持(2)技能労働者の雇用環境の改善(3)技術者に育成と適正配置(4)公共調達市場と受発注者関係(5)海外市場への積極的進出(6)過剰供給構造(7)東日本大震災─が挙げられると問題点を指摘。

 そのうえで、これからの建設産業の再生と発展には◆地域維持型の契約方式の導入◆保険未加入企業の排除◆技術者データベースの整備と業種区分の点検◆入札契約制度改革の推進◆海外展開支援策の強化◆不良不適格業者の排除◆震災を受けた特別の対応─の対策が必要と説明した。

 松下氏はこの後、対策の主要項目について、とくに専門工事業界で関心の高い「発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドライン」に関して詳細説明した。

 さらに、保険未加入企業の排除問題について、技能労働者の高齢化や若い人が入職しないことが大きな課題となっている、としたうえで、「そうした原因の一つとして、社会保険にすら入れない職種として敬遠されているのではないか」と指摘。今後下請け企業の保険加入の徹底を図りたいと述べた。また、保険料を負担する企業が未負担の企業と競争するのはフェアでない、としている。

 こうしたことから、保険未加入企業の排除については「行政、元請企業、下請企業が一体となった取組」が必要であるとして、下請企業における徹底方策の中で(1)下請企業、再下請企業の保険加入の徹底(2)労働者単位の加入状況の効率的なチェック、建設業者団体による労働者の加入状況のチェック等が必要と指摘している。このほか、派生する問題への対応として、▽法定福利費が適切に流れる取り組み、具体的な方策については見積・契約額における労務費、法定福利費計上を周知徹底させること等を指摘、また、▽一人親方が増加しないようにする取り組みとして、請負及び雇用に関するルール(偽装請負の禁止等)の周知徹底等をあげている。

 さらに、5年を目途に目指すべき姿を実現したい、としており、こうした考えかたについては年度内に周知、啓発するとしている。

 また最後に、下請企業等が元請建設企業に対して有する債権(手形を含む)については、ファクタリング会社が支払い保証を行うことにより、下請建設企業等の債権保全を支援する「下請債権保全支援事業」について説明するとともにファクタリング会社の情報は、財団法人建設業振興基金のホームページでもわかると述べた。

■公共建築協会・春田浩司氏
「公共建築を取り巻く環境」官庁営繕の役割

 春田氏は、官庁営繕が何をやっているのか、国の営繕事業における国土交通省の役割などについてスライドを使って概括的に説明した。

 それによると、官庁営繕は毎年各省庁が作成する営繕計画書について「官庁施設の位置、規模、構造の基準」に照らし、技術的な見地から意見を述べる国士交通大臣の意見書を財務大臣、各省庁大臣に送付し、各省庁の官庁施設を良質で均衡のとれたものとするのを役割としている。

 そのため技術基準があり、これは官庁施設だけでなく、地方公共団体等でも広く活用されているという。また、官庁営繕部では、営繕事業にかかわる工事及び設計業務等について請負業者の適切な選定による品質確保を図るため成績評定を実施しているとしている。

 このほか、官公庁施設を核とする魅力と賑わいのある町づくりを推進するため、国の施設と地方公共団体や民間の施設を総合的・一体的に整備する「シビックコア地区」、「官庁施設におけるグリーン化の推進」、「官庁施設の耐震化促進」、ユニバーサルデザインの考え方を導入した「人にやさしい官庁施設の整備」など様々な施策を実施していると説明。

■日事連・高津充良氏
「建築士事務所を取り巻く状況と日事連の活動について」

 高津氏は、建設投資と建築投資、新設住宅着工、建築確認件数などいずれも減少しており、建築士事務所を取り巻く環境が厳しいと述べたうえで、建築士事務所に関連する法的制度、日事連の概要と活動について説明した。

 最近の建設投資と建築投資のデータをみると、

  • H23年度の建設投資は前年度比5.1%増の43兆2,200億円の見通し。
  • H23年度の建築投資は建設投資の54%、(建築は50〜60%台で推移)22〜30兆円で推移。
  • H23年度建設投資43兆円はピーク時(H4 84兆円)の約半分。
  • H23年度建設投資はGDP(国内総生産)の8.9%・ピーク時S47の25%の2.5分の1である。
  •  このように最近のデータをみると如何に厳しい状況かがわかると高津氏。

     H23年度の住宅着工戸数は70万戸台との見方が強い。20年前は160万戸台。ここ10年間は120万戸台で、最近は80万戸台である。①H19の改正建築基準法 ②H21のリーマンショック ③H23東日本大震災─の3つが影響しているといわれている。

     次に、建築士事務所に関連する法的制度については、建築法体系の概要、建築基準法の主要改正経緯、建築基準法に基づく建築工事と手続きの流れについての説明の後、建築士制度の説明があった。

     その中で、①建築士の独占業務 ②建築士の免許の内容 ③建築士事務所の登録、開設などについて説明があった。また、建築関係の訴訟についても説明があり、それによると建築は民事平均の3倍の審理時間を要すること、最高裁に契約書、合意書面の不備を指滴される場合もあるという。

     なお、日事連の主な課題としては ①設計・工事監理等の業の確立に向けた法制度や環境改善の検討、整備 ②建築士事務所に対する社会信頼性の確保、向上 ③会員増強や加入率の向上による自律的監督体制の強化─をあげている。

    ■満尾広行氏
    「企業内指導員」「派遣指導員」自主的施工管理 体制支える

     組合派遣指導員の満尾氏は、ジェイシフの『自主的施工管理体制』を支える柱の一つである企業内工事指導員及び組合派遣指導員の役割について説明するとともに、最近の実績について述べた。

     ジェイシフ会員は、◇内装工事にあたっては、施工技術指針及び施工管理指針に基づいた施工を行う◇「床仕上管理士」が施工現場で管理点検を行う◇「企業内工事指導員」が施工現場での巡回指導を行う◇ジェイシフが会員企業の自主検査を補完する意味で、組合派遣指導員を施工現場へ派遣◇以上の項目により自主施工管理を終了した会員企業は、ジェイシフから『自主施工検査証』の交付を受け、発注者、総合工事業者に提出する─というもの。

     組合派遣指導員は、ジェイシフの委嘱を受け、組合派遣指導員の名称を用いて、会員企業が床仕上工事を受注した時、定められた要領に従って当該現場の施工状況を公正な立場で、会員企業に対して指導、助言する任務を担っている。

     満尾氏によると、企業内工事指導員が施工現場を巡回指導した件数は、23年度11月までは41件、組合派遣指導員が指導、助言したのは4件。

    ■安藤公裕ジエイシフ会長
    役所、業界の信頼のもとに自ら真剣な取り組みを

     ジェイシフがかねてから取り組み進めてきている「自主的施工管理体制」の成果が国土交通省の評価を受けるなど、大きな進展を見せている中で、同連合会の安藤公裕会長は、自立した専門工事業の取り組み状況を発注者や設計者に広く理解してもらうには「お任せでなく、われわれ自身がもっと真剣に取り組むことが必要」と強調した。安藤会長は、「ジェイシフとして今すべきこと・そして今後の具体的な活動」というテーマで挨拶した時、前段で国土交通省の松下雄介・専門工事業高度化推進官がおこなった基調講演に関連して述べたもの。

     松下氏は、建設業の再生と発展の方策について詳しく解説したが、その中で専門工事業に関しては、「元請下請関係」「保険未加入企業の排除」等々様々な角度からの対応策について説明した。安藤会長はこれについて「役所は我々に対していろいろなことをやろうとしている。そのことを理解して、一緒に考えることが必要」「そうでないとゼネコン、設計界あるいはその他の関係者にものが言えない」と他人任せからの脱皮を強調した。

     さらに、自主的施工管理体制を進めて行く中で、ジェイシフ会員の「内装工事施工技術指針」「内装工事施工管理指針」等に基づいた責任施工の姿勢が理解されてきていることを取り上げ、「国土交通省も設計界もわれわれの仕様書にOKを出している」として、車の両輪でこの難局を乗り越える強い姿勢を示した。

    品質確保につながる資材メーカー全面的に協力

     資材メーカー各社とも、ジェイシフの「自主的施工管理体制」は品質確保にもつながる、として全面的に協力する考えだ。内装工事業界と資材メーカー4社は「資材は使っていただいて初めて価値が出る」「車の両輪」「厳しい状況の中で情報交換をさらに密にして」などフォーラムに出席した各社とも全面協力の考えを示した。

     中小建設業界は、一部に東日本大震災の復旧・復興需要から景況感回復の見方があるが、フォーラムの席上各資材メーカーとも、挨拶の中で厳しい状況を訴えている。

     そうした中でのジェイシフの自主的施工管理体制は、品質確保に貢献するとともに、発注者、設計界などからの信頼性向上も期待できる。それだけに、名資材メーカーともジェイシフの自主的施工管理体制に対する期待は大きいようだ。

     フォーラムに出席、挨拶した資材メーカー4社は次の通り。

     (株)スミノエ・関口修一東日本支社長、(株)タジマ・成田豊英常務取締役営業本部長、東リ(株)・永嶋元博取締役営業本部長、ロンシール工業(株)・平山達也建装事業部長。

    高校生から社会人まで幅広い人材育成富士教育訓練センター

     富士教育訓練センターは、全国建設産業教育訓練協会の運営によるもので、土木、建築、内装など建設業で必要となる各種の技能講習や特別教育を実施しており、菅井文明専務理事の説明では高校生の実習教育、ゼネコンの社員教育、実業高校の教師の技能講習もあるという。

     専門工事業者のための『人材育成』を基本としており、23年度の認定職業訓練募集コースをみると、技術習得コースから特別コースまで12のコースがあり、しかも各コースとも技能、技術別に各種の訓練コースが用意されている。

     内装仕上関係のコースでは次のようなものがある。

    《リフォーム建築配管施工》

     ◇概要=内装仕上技能者が配管工事の知識と技能を習得し、 住居系配管工事の施工ができる人材を育成する。◇対象者 =鋼製下地ボード貼り・クロス貼り・長尺シート貼り等に関する 作業ができる内装仕上工事技能者が対象。

    《リフォーム施工(内装仕上》

     ◇概要=このコースは女性を対象に、内装の仕上施工ができ る人材を育成し、女性の技術、技能の向上を目指す。
     ◇対象者=女性対象。

     このほか、同センターで各種の教育訓練(認定訓練)を受けると、訓練生を派遣した事業主に対して、助成金の支給を受けることができるので、事業主は費用負担が軽く済みます、と菅井氏。なお、同センターは全寮制で、宿泊、給食が用意されている。

     教育訓練にあたる教官、指導員は、職員のほか主として会員全体の専門工事業、建設関連業の各企業の経験豊富な人材が担当している。

     なお、同センターは昨年12月、建設業の若手経営者、後継者を対象に2日間の「朝霧経営塾2011」を開催した。

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ジェイシフフォーラム2012 Part2
『技術・技能・人材のいま、そしてこれから』テーマに主婦会館プラザエフで 平成24年11月29日に開催

(出所:ジェイシフ関東ニュース)〔注〕役職名は開催時の役職名を記載

長福国交省専門工事業高度化推進官が基調講演
適正単価受注が業界を活性化
魅力ある業界構築で若年技能者確保へ

 ジェイシフ連合会主催の『ジェイシフフォーラム2012 Part 2』が11月29日(木)、東京・千代田区の「主婦会館 プラザエフ」で開かれた。会場にはジェイシフ組合会員をはじめ関連メーカーなどから約120名が参加した。

 同フォーラムは、全国のジェイシフ会員が、ジェイシフ独自の「自主的施工管理体制」を導入し、内装工事の品質向上を推進、その成果が国土交通省の監理指針に明記されるなど評価されてきたことから、こうした自立した専門工事業の立場を発注者や元請ゼネコンなどに広く理解してもらうことを目的に開催したもの。

 特に今回は、品質管理と適正利潤確保に欠くことのできない「技能・技術・人材」にスポットを当て、「自立した内装仕上工事業者として評価される為の方向性」を探ることを狙いにシンポジウムを行い、貴重な意見や提案が示された。

 フォーラムでは、国土交通省から専門講師を招き基調講演を行ってもらうほか、セミナーとして同連合会が12月1日に改訂発刊する「内装工事積算ガイドブック」についても、解説を行い、積算の適正化を広く要請していくことになった。

 今回は第1部セミナー、第2部シンポジウムという2部構成で行われた。

 第1部、第2蔀ともに各界を代表する専門家が講師やシンポジストとして招かれたため、貴重な提言や活発な意見交換が行われ、活気に満ちた有意義なフォーラムとなった。

■開会挨拶 
 安藤氏
 「適正利潤の確保で品質管理を一層向上へ」

 フォーラムは、岡田今朝紀ジェイシフ連合会専務理事の司会で始まり、冒頭、安藤公裕ジェイシフ連合会会長が主催者挨拶を行なった。

 安藤会長はその中で「ジェイシフでは、かねてより床仕上工事施工の品質確保に取り組み、自主施工検査証を発行するなど自主的施工管理体制を強化推進し、その活動は国からも一定の評価を得ています。今回のフォーラムは、そうした取り組みをさらに広く一般に認知してもらうことを目的に開催するものです」と開催主旨を述べた。それとともに「今回は、適正利潤を確保し如何に内装工事業界を活性化していくかについて各界の第一人者としてお招きした講師やシンポジストの方々からご意見や提言を頂き今後の活動に活かしていきたい」とフォーラム開催への期待を述べた。

■基調講演 
 長福氏
 許可業者は過剰供給構造で受注競争も激化

 続いて基調講演に移り、長福知宏氏(国土交通省土地・建設産業局建設市場整備課専門工事業高度化推進官)が『最近の建設産業を巡る動向について』をテーマに講演した。

この中で長福氏は、受注競争激化の理由として「建設投資はピーク時と比べて約5割減となる一方で、許可業者は約1割減に留まるなど、過剰供給構造になっている」ことを挙げた。

 ちなみにピーク時(平成4年度)の建設投資額が84兆円に対して平成23年度は42兆円と半減、その一方で許可業者はピーク時(平成4年度)約53万業者に対して平成23年度は約48万業者と9%減に留まっている。

 また今回のテーマのひとつである「技能労働者の確保」に関しては、少なくとも今後10年程度以内に不足が恒常化するとの懸念を示した。これは、若手入職者の減少が高卒約6割減、大卒・院卒等約4割減と顕著化し、特に技能者や技能労働者となる理工系の減少幅がここにきて大きくなっていることを指摘した。

 また、低価格入札の発生率は平成17年度の4.7%に対し、平成22年度は28%と増加しており、これが逆に品質低下をきたし専門業界の首を絞める結果となっていると分析した。

 さらに、建設業就業者の年齢構成の推移では、3人に1人(33%)が55歳以上、8人に1人(12%)が29歳以下であり、高齢化の進行と次世代への技術継承が大きな課題であることを強調した。

 基調講演の中で長福氏は、最近専門工事業界で問題化している『社会保険等の加入状況』にもふれ、「保険未加入企業の存在により、適正に法定福利費を負担し、人材の育成を行っている企業ほどコスト高となり、競争上不利になるという矛盾した状況が発生している」ことを指摘、「将来的な建設産業の継続に不可欠な経費までも対象とした行き過ぎた競争が発生している」とし、早急な対策の必要性を強調した。

 その上で社会保険未加入対策推進協議会の申し合わせとして、㈰加入促進計画の着実な実行㈪法定福利費の確保に向けた標準見積書の活用─を上げ、官民が協力して推進していくことの必要性を促した。

 最後のまとめとして「建設投資の減少に伴い一企業が抱える技術者や技能労働者の数の減少が相当程度進んでおり、専門工事業の業種によっては技能労働者不足が強く懸念される。また、若年入職者の減少と高齢化が顕著化しており、優秀な技術者や技能労働者の確保・育成が喫緊の課題となっている。その背景には、受注競争の激化と間接経費の増加、技能労働者の賃金を含む工事原価へのしわ寄せが進み、技能労働者の就労環境の悪化が挙げられる」と結んだ。

 この後、ジェイシフ連合会の岡田今朝紀専務理事から『ジェイシフ自主的施工管理体制』の適用現場の進捗状況が報告された。

 この中でジェイシフでは、「自主施工検査証」を発注者や元請ゼネコンに提出し、品質の高さをアピールしており、特に24年度は制度適用現場を2,000現場目標に全国展開していることが報告された。この結果最近では、元請であるゼネコンの評価も一層高まり、より高い信頼関係を構築できてきたと、その効果を報告した。

■第1部 セミナー 
 中﨑委員長
 「内装工事積算ガイドブック発刊、業界の構造変動に対応」

 第一部セミナーでは、ジェイシフ連合会の中 剛辰技術指標作成委員会委員長が、『内装工事積算ガイドブック』の改定内容や改訂までの経緯などを説明した。

 この中で中 委員長は、「ジェイシフは創立以来、専門工事業者の立場から、施工技術・施工品質の確保に努め、その柱となるジェイシフ独自の『標準積算資料』を発刊し、その間、2度に亘り再編集してきた。

 しかし、初版から数えて、20年の歳月を経た今日では、経済情勢や建設産業界の構造が変動しており、コンプライアンスの問題点にも十分留意する必要がある。特に今後、専門工事業者に求められる社会的要請は、良質の技術者・技能者を確保・育成し、自主管理能力を高め、生産性と施工品質の向上を図ることである」等の理由を挙げ、今回、新たに積算ガイドブックとして作成した、とその経緯を説明した。

 ただし、品質管理に対しては、ジェイシフでは早くから「自主的施工管理体制」を確立し、その運用として「自主施工検査証」を交付するなど、内外で高く評価されているが、その一方で最近では『ものづくり』の本質より経済行為としての価格ばかりが先行し、安値受注による品質悪化が懸念され始めた。

 今回の標準積算資料は、会員企業が各社なりの積算に対するしっかりとした考え方を持つためのガイドブックとして作成したと、会員企業にその活用を呼びかけた。

■第2部 シンポジウム

【シンポジウム出席者】
 (コーディネーター)
 □春田浩司氏(一般社団法人公共建築協会会長)
 (シンポジスト)
 □長福知宏氏(国土交通省・専門工事業高度化推進官)
 □菅井文明氏(職業訓練法人全国建設産業教育訓練協会  富士教育訓練センター専務理事)
 □本間健治氏(プライド会代表)
 □安藤公裕氏(ジェイシフ連合会会長)
 □岩野彰氏(ジェイシフ連合会労働人材委員会委員長)
 □田中猛雄氏(ジェイシフ北陸理事長)

春田氏
「高度な施工技術が付加価値を生み、業界発展の牽引的役割果す」

 シンポジウムでは一般社団法人公共建築協会会長の春田浩司氏がコーディネーターを務め、シンポジストとして国土交通省・専門工事業高度化推進官の長福知宏氏、職業訓練法人全国建設産業教育訓練協会富士教育訓練センター専務理事の菅井文明氏、プライド会代表の本間健治氏、ジェイシフ連合会会長の安藤公裕氏、ジェイシフ連合会労働人材委員会委員長の岩野彰氏、ジェイシフ北陸理事長の田中猛雄氏の6氏が参加して、活発な意見交換を行った。

 コーディネーターを務める春田氏は、今回のシンポジウムのテーマが『内装業界からの提案〜技術・技能・人材のいま、そしてこれから〜』、サブテーマが『自立した内装仕上工事業者として評価されるための方向性』であることから、「建設業界を取り巻く環境が悪化し続ける中で、高い品質を確保するというのは非常に難しいことであるが、厳しい時代だからこそその高度な施工技術が付加価値となり、生き残るための牽引的な役割を果たす」と、ジェイシフの活動を評価した上で、各シンポジストにそれぞれの立場からの意見、提案を求めた。

安藤氏
「自主施工検査証をゼネコンへ2,000部を目標に配布し品質管理の認知度を高めたい」

 まず安藤氏が、ジェイシフの立場を述べた。この中で安藤氏は「ジェイシフが14年もかけて取り組んできた自主的施工管理制度は国からは評価されているものの、ゼネコン業界ではまだまだ認知度が低い。これを組合員が如何に行動しアピールしていくかがいま重要なことです。その一環として本年度は、自主施工検査証の目標を2,000部に掲げ、各ゼネコンに提出したい。そして自主的施工管理制度はこう言うものであるという認識を高めていくことを大前提に活動をしていく」とした上で「ジェイシフが永年培ってきた品質管理・検査制度の全国的な普及に取り組んでいくことがいま一番大事である」ことを強調した。

 また議論の中で安藤氏は国交省に対して「専門工事業界の評価制度の中で、人を大切にして品質の確保や賃金の問題などに取り組んでいることなどを評価の対象に組み入れて欲しい。ジェイシフではこれまで元下間での日頃の長い付き合いの中でお互いの信頼は認められるものの、一方では、下請けの品質管理面で努力してきた価値が軽視されてきたきらいがある」と指摘。「早くから派遣指導員制度を導入しているが、ゼネコン業界へはあまり浸透していないのが現状。ゼネコン業界へ品質管理面で努力していることを浸透させたい」と述べた。

長福氏
「折に触れて業界の魅力を若者に伝える事が大事」

 これに続いて長福氏が国の立場から見解を述べた。

 長福氏は「先ほど述べたように建設投資額はピーク時と比べると丁度半分に落ち込んでいる。これが過当競争を誘引する原因のひとつであるが、単価もさることながら工期の短縮面でも競争が起きており、品質への影響も出始めている」とした上で「今後は一層技能者不足が顕著化し、特に若い技能者の不足がこれまで以上に進むと思われる。こうした課題を解消する方策としては、まず専門工事業界を魅力ある業界にしていくことが重要である。それには折にふれて業界の魅力を若者に伝えていくことが大事なことである」と指摘した。

 また、その方策の一つとしては「現場を積極的に若者に見せることや社会保険未加入問題の解決を官民一体で進めること」などを挙げた。

岩野氏
「評価された企業の半数は品質管理費などの負担増で経営危機に」

 これを引き継ぐように岩野氏が「専門工事業の評価基準を、国交省で明確化して欲しい。一概には言えないが一部のゼネコンでは、専門工事の品質管理の努力を理解していないのが実情である」と述べるとともに「その背景としては評価された企業の半数は品質管理等に投入した経費などの負担増が大きく倒産の危機にあるという矛盾が生じている。専門工事業者は、どうしてもゼネコンからの評価が大事であることから、国交省から、品質管理に努力している企業を優先するなど、ゼネコン業界へ良い意味でプレッシャーをかけて欲しい」と意見を述べた。

 また、施工者の立場からは「当社ではリーマンショック以来苦しい状況にある。現在職人を約100名程抱えているが、仕事が少ない中で福利厚生費やその他経費など会社の負担増で、職人の給料分が稼げないほど苦しい状況にある。それでも若い技能者を育成する為現場を見せるなど社内訓練を行っているが職人を一企業で、育てるのは大変なことである。その上職人として活用できる工事は単価が低い。それでも社員を遊ばせないようにしている。若い入職者が留まれるような業界を目指しているので国交省さんやゼネコンさんを初め、メーカーさんにもこのことを理解して欲しい」と協力を求めた。

田中氏
「この10年間で、70人ほどの親方の賃金が減少している」

 田中氏は企業の立場から意見を述べた。その中で「地元の北陸は、人口約300万人で仕事はあるものの、季節によってばらつきがある。当会社は設立64年目に当たり、仕事は住宅と床工事が半々で、親方は75名ほど抱えている。

 この10年間を振り返ると、70人ほどの親方の賃金が減っている。親方の数はこの50年で変わっていないが、施工力はダウンしており、厳しい状況にある」と危機感を募らせた。その上で「しかし、若い職人を育成しなければ仕事を消化できないことから、請け負う職人が毎月集まり勉強会を行っている。具体的には安全パトロールを毎月行っており、また他社の現場でも安全パトロールを行っている。現在仕事の量としては北陸新幹線関連が大きい。ただし、こうした努力をしていても一部のゼネコンには分かってもらえず報われないことも多い。その結果、信頼関係が結べるゼネコン以外の仕事は請け負わないことが多い」と元請であるゼネコンとの絆が大切であることを強調した。

 その上で「職人にはできるだけ独立するよう進めている。前にも述べたように職人の教育は会社が行って欲しいとの意見が多いが、やはりその分、収益に跳ね返ってくる。しかし業界を魅力あるものにしていくには、今後多少費用がかかっても教育していく必要がある」と決意を述べた。

本間氏
「若者の入職者が少なく職人の高齢化が顕著で80歳まで働いている」

 本間氏も施工者の立場から意見を述べた。その中で「施工者にとって明るさは未だに見えてこない。まず施工単価が低く、離職者が多い。特に若者が少ないことから、職人の高齢化が進んでいる。また抱えている職人の給料分が稼げない状況にある。これは福利厚生費などで会社に負担がかかっていることも一因であるが、受注単価が落ちていることも大きい。これでは若い技能士の育成に支障をきたすことになる。この結果、若者の入職が激減して、職人の高齢化は避けられず、当社では一番若い技能士が30代で20代は独りもいない。このため80歳まで働かないと生活が出来ない状況にある。若者が魅力を感じる業界にしたいと、床工事施工に関しては勉強会や現場を見てもらうなど努力はしている。施工代金を見ても昔のほうが高く、いまの施工代では入職者が増えないのが実情です」と専門工事業の直面している窮状を訴えた。

菅井氏
「物づくりの喜びを与え、技術・技能の継承へ努力」

 「当センターは平成9年4月から建設業振興資金の協力により民間団体の職業訓練校として若者の教育や職人の人材育成の場として開所した。ここの訓練では、まず実地訓練として生徒に汗をかいてもらうことを基本にしている。指導する側も現場で汗をかいた職人が教えるが、この場合上からの目線ではなく生徒と同等の立場で指導している。また、入校した生徒が何をしたいのかを見極めて教育している。ここでは物づくりの喜びをあたえ、技術・技能を継承していくことも目的の一つです。また、国や自治体からの補助金制度もあり、しかも資格が取れることから、最近では専門学校だけでなく大学生も受け入れている」と生徒の層が広がっていることを強調した。

 また、「ここには物づくりの原点があり、実際行ってみると充実感を感じる生徒も多く、いまここで問題提起されていることのキーワードがあると確信している」と若い技能者不足で悩む建設業界に積極的に活用することを呼びかけた。

 さらに同センターでは「こうした訓練風景のテープを国交省や厚労省にも提出しており、是非企業や団体の方々が、若者がセンターへ来るきっかけを作っていただく事が大切である」と述べた。

メーカー
「直面する課題も分り、解決へ向けてのバックアップを惜しまない」

 最後に、春田氏は、「全体を通して、資材メーカーからひとこと」を来寶者として出席しているメーカー代表(50音順)の沢井克之株式会社スミノエ常務取締役営業本部長、成田豊英株式会社タジマ常務取締役、松本渉東リ株式会社取締役営業本部長、平山達也ロンシールエ業株式会社建装事業本部長の4氏に意見を求めた。4氏ともに専門工事業の厳しさを痛感しており今後とも製・販・工が一体となって若者が魅力を感じる専門工事業界となれるよう出来る限りのバックアップをしていきたい旨のエールを送った。

 その上で各氏は「シンポジウムでも指摘されたように、若い技能士不足は深刻である。例えばカーペット施工では、70歳を過ぎた技能士が働いており、若手技能士は少ない。若い技能士の育成はメーカーと施工者が一体となって取り組むことが重要である」(沢井氏)、「今回あらためて様々な立場の方々と直面している課題を共有できた。変化の中で一つひとつメーカーと組合員が協力していけば問題解決も早まるものと期待している」(成田氏)、「シンポジストの方々から大変貴重な意見を伺い、専門工事業界とメーカーの今後の方向性が見えてきた。基本的にメーカーとしては、まずはより価値の高い資材を提供していくことだと確信している」(松本氏)、「資材斡旋メーカーとしては、これまで通り組合員の高い施工管理技術で提供する資材を施工してもらい、品質向上を図って欲しい。そしてエンドユーザーが、20年、30年後に満足することで、資材と施工の品質管理が一般にもより一層認められることになる」(平山氏)とそれぞれが感想を述べた。

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〈内装工事施工管理指針(抄出)〉
– カーペット床仕上げ施工 –

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